沖縄の世界遺産「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のうち、5つのグスク(城)について紹介します。
沖縄はかつて琉球という一つの国でした。ですが琉球として統一される以前は、按司(あじ)とよばれる武将とか豪族のようなリーダーたちが各地を治めたり権力を争ったりしていた時代がありました。
その時代には琉球各地に按司たちの居城や砦が多く築かれました。「グスク」はそういった按司たちの居城や、他にも墓所や聖地などを指すときに使われた言葉です。
2000年12月、現在沖縄に多く残るグスクの中から5つのグスクが「琉球王国のグスク及び関連遺産群」に含まれました。
沖縄旅行ついでの世界遺産めぐりが計画しやすいように、沖縄のどの辺にそのグスクがあるのかなどまとめましたので参考にしてください。
今帰仁城跡(なきじんグスク/今帰仁村今泊)
沖縄本島北部の今帰仁村(なきじんそん)にある今帰仁グスク。本島北部には美ら海水族館や古宇利島もあるので行ったことがある方も多いと思います。
今帰仁グスクは琉球が統一される前の三山時代に北山王が居城していたグスクです。築城は13世紀ごろからといわれていて、琉球のグスクの中でもかなり古い時代から栄えていた大規模グスクだそうです。
関連記事→今帰仁グスク(今帰仁城跡)の見どころを自分なりに案内してみる
今帰仁城跡の住所と地図
住所:沖縄県国頭郡今帰仁村今泊5101
座喜味城跡(ざきみグスク/読谷村座喜味)
沖縄本島中部の読谷村(よみたんそん)座喜味(ざきみ)にある座喜味グスク。
読谷村には残波岬や「ホテル日航アリビラ」などもあります。
座喜味グスクは琉球の武将・護佐丸(ごさまる)によって築かれたグスクです。
1416年に今帰仁グスクの北山王が尚巴志によって滅ぼされるのですが、その戦にも参戦していたといわれる護佐丸。そして今帰仁グスク落城後しばらくして座喜味グスク築かれました。
座喜味グスクで印象的なアーチ型の門を造る技術は護佐丸しか使っていない技法だそうですよ。
関連話→座喜味グスクに来ちゃった
座喜味城跡の住所と地図
住所:沖縄県中頭郡読谷村座喜味708−6
勝連城跡(かつれんグスク/うるま市勝連)
沖縄本島中部の東海岸側、うるま市勝連にある勝連グスク。
勝連グスクがある勝連半島には浜比嘉島や伊計島につながる海中道路もあります。
勝連グスクは琉球が統一されるよりももっと前の、各地で按司(あじ・豪族?)が勢力争いを繰り広げていた時代から大いに栄えていたそうです。琉球王国が成立した後も、琉球国王にとって脅威を感じる存在だったのではないかといわれています。
勝連グスク最後の城主・阿麻和利(あまわり)は琉球の歴史上でとても有名な人物。護佐丸・阿麻和利の乱で護佐丸が王府軍に討たれたときに王府軍の総大将を務めた人物です。
関連話→阿麻和利の墓の話
勝連城跡の住所と地図
住所:沖縄県うるま市勝連南風原3908
中城城跡(なかぐすくグスク/北中城村)
沖縄本島中部の北中城村(きたなかぐすくそん)にある中城グスク。世界遺産の一つなのにあまり知られていない知る人ぞ知るフォトジェニックなグスクです。
中城グスクの近くには国指定文化財の「中村家住宅」もあります。
中城グスクの歴史もとても古く、一説には琉球王国が成立する前のグスク時代初期には築城されていたんじゃないかという話もあります。
中城グスクは時代と共に増築されながら、現在残っているような大きなグスクに発展したそうです。なので時代による石積みの変化を見ることができます。
太平洋戦争時はここに米軍の指令基地が置かれたとかで、戦争の被害が比較的少なく築城当時のまま残っている箇所もたくさんあると聞きました。
中城城跡の住所と地図
住所:沖縄県中頭郡北中城村大城503
首里城跡(那覇市首里)
首里城はもう有名な世界遺産のひとつです。琉球王国の拠点となった王城で、現在も沖縄のシンボルのような存在。
おそらく14世紀後半か15世紀の初めごろに築かれたのではないかといわれていますが、はっきりとはわかっていません。
首里城といえば、今はもう観光名所でベタなイメージがあるかもしれませんが、首里城の中だけでなく周りにもたくさん歴史ある名所があって、知る人ぞ知る貴重な史跡に巡り合うこともあります。首里界隈は、2日・3日かけてゆっくり散策するのも楽しいですよ。
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最後に、首里城の威風堂々とした写真は雑誌でもテレビでもいつでも見られると思うので、逆に貴重な土砂降りのときの首里城写真をお楽しみください。
首里城の住所と地図
住所:沖縄県那覇市首里金城町1丁目2
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