復元工事中の首里城を見てきました。
今回の目当ては火災後に閉鎖していた御内原(おうちばら)と東のアザナ。なのでその他は軽く通り過ぎるつもりだったのに、予想外に貴重な景色や新しい発見が楽しくて、結局2時間以上首里城で遊んでいました。
おそらくこれから行くたびに変っていく首里城の様子を、記録も兼ねて写真多めに書きました。
(この旅行のダイジェスト&体験記事一覧→2022年5月久々に観光を楽しんだ沖縄14日間(晴れた日に限る))
人が少ない首里城-正殿までちっとも進めず
首里城を訪れたのは2022年5月12日(木)の午前中。
連休直後の平日で雨が降ったりやんだりしているせいか、他のお客さんはかなり少なめでした。

あぁ首里城に来たんだなといつも思う守礼門
人が少ないと、世界遺産のひとつ「園比屋武御嶽石門(そのひゃんうたきいしもん)」の写真もばっちり撮れます。

知る人ぞ知る世界遺産「園比屋武御嶽石門」
さぁお邪魔しますよー。

首里城郭の入口「歓会門(かんかいもん)」
って、目に映るもの片っ端から写真撮って歩いているのでちっとも先に進めません。
あ、龍樋だ。

戦禍も火災も逃れた龍の口
雨上がりなんかこの階段絶対滑るわー。とか言いながら四股を踏むみたいにゆっくり瑞泉門まで。

登りにくい階段の先にある瑞泉門
瑞泉門の前で振り返ると、空が広い。

瑞泉門から那覇を見渡す景色
人が少ない日はこういう遊びができるからいいですね。火災前はひたすら正殿に向かっていて振り返る余裕なんてなかったし。
さて、次行きますか。
ふと見上げると、漏刻門の漆が塗り直されていました。

きれいに塗り直されていた漏刻門
なんと鮮やかな。
せっかくなんで門の裏側からまじまじと観察。

ツルツルだー
もー。はよ、進め。
首里森御嶽の横に大龍柱
広福門(こうふくもん)を入った先にあるのが、首里森御嶽(すいむいうたき)。琉球開闢神話に登場するアマミキヨが創った7つの聖地のうちのひとつ。だったはず。

首里森御嶽
またここに来れました。お邪魔します。と一言ご挨拶。
そして首里森御嶽の右手には、新しく「大龍柱補修展示室」という小屋が建っていて、修理中の大龍柱をガラス越しに見ることが出来ました。

修理中の大龍柱 photo by 夫
大龍柱は、正殿の真正面に立っていたあの龍。こうやって寝かされて固定されているのを見ると、早く元気になってね…と。
復元工事中にしか見られない景色
チケットを買っていよいよ奉神門の向こう(有料エリア)へ。
なんですが、奉神門を入るとすぐに工事用の囲いがずらり。

囲いがずらりと…
隙間から覗いてみても機材だらけでどこが何だったかわからず。
なんだかなぁ。と思いながら歩いていると、正殿(工事現場)とは反対側に那覇を見渡す景色が広がりました。

晴れてたら最高だろうなー
「日影台」と「万国津梁の鐘」の後ろから那覇を見渡せるのはたぶん今だけなんじゃないかしら。ここは元々建物があった場所だから。
貴重な景色をみたら俄然やる気が湧いてきて、他に今しか見られない景色はないのか欲張って探しました。
囲いの見学窓をいちいち覗いて、

ここはどこでしょうねぇ
案内板を真面目に読んでいたら、ありました。
正殿の真ん中の、先ほど修理していた大龍柱が立っていた「八の字」の階段が。

正殿前の階段八の字の階段が見えた
ほ~。今自分はこんなところに立ってるのか~。位置関係を把握できたのと、正殿の気配を感じられて満足。
そう、それよりなにより今しか見られないといえば、首里城の世界遺産に指定されている正殿の土台部分。

世界遺産に登録されているのはこの部分
実はちゃんと理解できていないんですが、この土台遺構が首里城の歴史を物語るとても貴重な部分なんだそうです。
ただ、これから復元工事が本格的に動き出すにあたって、土台遺構は2022年6月3日に一旦埋め戻されたそうです。次に見学できるのが2026年の正殿完成後だとか。
→沖縄ニュース『首里城正殿遺構の保護作業に着手』【沖縄テレビ】
御内原を初めて見学
さて、ここからは2019年2月に新しく公開された「御内原(おうちばら)」へ。御内原は火災後にしばらく閉鎖されていたので初めて見るエリアです。
なんですが、御内原にある「女官居室」はミュージアムショップ、「世誇殿」は休憩所でした。なんだかうまく写真を撮れなかったのでスルーします。
あ、でもちょっと待って!ミュージアムショップの首里城公園オリジナルTシャツ「ぽっちゃりシーサー」が可愛くてキャーキャー言いました。
→ぽっちゃりシーサーTシャツ【首里城公園公式オンラインショップ】
キャーキャーはしゃいだ後は東のアザナへ。ここが今回一番見たかった場所。

東のアザナから奉神門方面の景色(photo by 夫)
写真手前が寝廟殿(しんびょうでん/国王の遺体を安置する場所)、その向こうに世誇殿や女官居室の赤瓦、そして工事現場(正殿、御庭)を挟んで奉神門の背中。
ただ、この景色ももう見られないらしく、2022年6月の時点で工事現場に木材倉庫などの骨組みが仕上がりつつあるようです。
東のアザナから久高島とガメラレーダー
ところで、東のアザナに立ってしみじみ感じたのは、首里城ってすごい場所にあったんだということでした。
何がすごいって、東のアザナからうっすらと久高島が見えるんです。霞んでて分かりづらいんですが、山の合間にぺったんこに見えているのが久高島。

東のアザナから久高島が見える
そして南の方向には、糸満市の与座岳のてっぺんにある通称ガメラレーダー(航空自衛隊 与座岳分屯基地の警戒管制レーダー)まで見えます。

南方面にはガメラレーダーが見える
それぞれの位置を地図で見ると、こう。

東のアザナから見える久高島とガメラレーダーの位置関係
すごいわー。なんかすごいわー。と思いました。うまく言えないけど、ここに首里城建てようと決めた人は将来ここが都になると見越していたんだろうなぁ。というようなことを想像しました。
すべてを手に入れた気分になりたかったらここに来ればいいと思います。
湯屋と昔の石積み
さぁ、そろそろ疲れたので首里城見学も雑になってきました。
東のアザナ以降の御内原内でじっくり観察した箇所といえば、湯屋くらいでしょうか。(疲れてたのでという意味で…)

「湯屋」女官たちのお風呂場
首里城にお風呂場があったなんて、へー。と感心しながら淑順門(しゅくじゅんもん)を抜け右掖門(うえきもん)を通って有料エリア外へ。
右掖門を出てすぐのところで、首里城城壁に復元された石積みと昔の石積みがあることを知って、へーへーへー。となりました。

首里城城壁の復元石積み(上)と遺構石積み(下)
首里城の抜け穴?初めて見る洞窟
さてさてもう西のアザナに寄ったら帰ろうぜ。だけどその前に京の内の物見台にも寄ってく?と思ったら、京の内の物見台への坂道は雨で滑るということで立ち入り禁止に。
ところがふと坂道手前の小道を入ると、

物見台へ続く坂道の手前の道を入ると…
初めて見る洞窟のような場所を見つけました。

立ち入り禁止の謎の洞窟
何かの本で、首里城の京の内に洞窟があって、それが首里城外への抜け穴だったような話を読んだことがあったんです。もしかしてもしかすると、ここがその抜け穴?
抜け穴は首里城外のクンダグスクという場所近くに出口があるらしいと読んだので、クンダグスクも含め、今までけっこう探してきたんだけどなぁ。いまだ見つけられずにいます。
でも今回こんな洞窟を見つけたのでちょっと希望が見えてきました。果たしてこれがそれなのかはわからないですけどね。
西のアザナで那覇を見渡す
さて、もう最後、西のアザナで那覇の街を見渡して帰りましょう。っていうかお腹空いた。
首里城に着いたときは時々雨がパラついていたけど、その後段々と青空が増えてきました。

晴れてきたねー。
ただ風が強い!
ぶ、ブレるー。と叫びながら末吉宮にズームイン!

西のアザナから見えた末吉宮
よっしゃよっしゃ。今日はここまでー。
やっぱり首里城に来たら時間を忘れますね。滞在時間2時間以上。天気は持ち直したし、じっくり見学できてよかったです。
首里城はまだまだ復元工事中ですが、正殿と御庭以外にも見どころはたくさんありました。それにこれからどんどん工事が進んでいくんだと考えると、今の方が貴重な景色が見られたりして。
また時間を見つけて遊びに行こうっと。
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