2018年12月15日(土)、沖縄本島北部の名護市から今帰仁村の海沿いをドライブしてきました。
ルートは、なんとなく羽地内海の海沿いを通って、そこから屋我地島を経由しつつ、綺麗な海をはしごする感じで。的なゆるい設定です。
ドライブしながら立ち寄ったのは、昔の風景を懐古したエッセイや沖縄の歴史本などで知った場所など。絶景スポットも挟みながら、コンパクトなドライブを楽しみましたよ。
(この旅行のダイジェスト&体験記事一覧→12月の沖縄で気温25℃以上の夏日を体験【10日間滞在ダイジェスト】)
昔は渡船で渡っていた名護市呉我の河口
名護市を出発して最初に立ち寄ったのは、少しマニアックな場所、名護市呉我にある奈佐田川(なさだがわ)の河口でした。ここはどうしても午前中の空気が爽やかな時間に見ておきたかったからです。
現在の奈佐田川の河口には、橋が架かって国道505号が通っています。
たぶん大正時代くらい昔は、ここに橋は無くて渡し船があったと。その頃の様子を描いたエッセイを読んで、ぜひ見てみたいと思ったのです。
少し抜粋します。
右にぐっと道を曲がると、やがて呉我のワタサー(渡し)である。岸辺の松の枝に綱をつないだまま、渡守もなく、深い淵に渡船が静かに浮かんでいた。渡賃はたった一銭だった。【『わが故郷 今帰仁-宿道と津口をたどる』仲宗根政善より引用しました。】
このエッセイは、今帰仁村史に収められているそうです。なので冒頭の、“右にぐっと道を曲がる”というのは、今帰仁村から呉我方面へ向かったときの様子ですね。(私は分厚い文集「ふるさと文学館-第54巻-沖縄」で読みました。)
そして現在の奈佐田川河口の様子がこちら。
写真左手に架かっている橋は車が通れないようになっていました。そして写真中央にも橋げたが残っていますね。国道505号はこの写真の右手を走っています。
さすがに渡し船の痕跡は見つかりませんでしたが、昔はこの河口ももっと広くて水深も深かったんだろうな。なんて思いながら眺めていました。
当時、この近くの浜辺には小舟がたくさん浮かんでいたんですって。そんな景色も想像しながら。
沖縄の瀬戸内海?!「嵐山展望台」からの風景
さて、呉我のワタサーを眺めて満足した後は、絶景を求めて「嵐山展望台」へ。
ここから見える景色は、沖縄にしては珍しい雰囲気で、なんというのか松尾芭蕉っていう感じがします。
以前の記事でここの風景を、“瀬戸内の風景を見ているような気がする”と書いたのですが、なんと沖縄県の観光サイトにも“羽地内海は沖縄の瀬戸内海とも呼ばれ”と書かれていました。やっぱりみんなそう思うんですよ。ドヤ!
(以前の記事→沖縄本島の隠れスポット-見晴らしがいい場所9選)
(沖縄県の観光サイト→嵐山展望台【おきなわ物語】)
かくいう沖縄の瀬戸内海がこちら。
少し霞んでたんですけど、12月なのに綺麗な青を見ることができました。
ここに来るのは二回目で、初めて来たときは、うわーい!と一枚の絵でしか見てなかったのですが、今回どこに何が見えているのかまで、じっくり観察してきましたよ。
せっかくのなのでウンチクをひけらかしておきますね。
まず写真の左側、一番奥に見えるのが古宇利島。その手前、写真の中央に広がっているのが屋我地島(やがじじま)です。
そして一番左端の屋我地島とつながっている橋が「ワルミ大橋」。その少し右寄りの手前に浮いている島がヤガンヌ島です。
ちなみに、ワルミ大橋の「ワルミ」は「割れ目」という意味で、大橋の下の海峡のことを指しているんですが、その海峡に由来してこの辺の地名がワルミと呼ばれていたそうです。
それから、ヤガンヌ島の「ヤガン」は「八つの岬」という意味で、地図で見ると子亀?みたいな形をしています。
ついでに、展望台から東の方向に見える風景(先ほどの写真の右手の方向)も説明すると、
左端から続いているのが屋我地島、そこからつながっているのが「屋我地大橋」、その先が奥武島です。
奥武島という名前の島は、実は沖縄にいくつかあるんですよね。確か、地の先にある島みたいな意味があるとかないとか読んだ気がするんですが、忘れました。
ドライブルートはランチに合わせて決めるべし
絶景を楽しんだ後は、早めのお昼ごはんです。
この日のランチは前々から「我部祖河食堂」のソーキそばと決めていました。
なので嵐山展望台で絶景を眺めた後、時間はまだ早かったのですが先には進まず、来た道を戻って我部祖河食堂へ向かいました。
今までの経験上、行きたいお店があるときはそのお店に行くことを中心に予定を立てないとたいてい食いそびれます。お店からあんまり離れてしまうと、お腹を空かせて戻ってくるのが大変ですからね。
「我部祖河食堂」のソーキそばについては長くなるので別記事に書きました。→我部祖河食堂【名護市】ソーキそば発祥の店に行ってきた
車を降りて湧川集落を散策
うまいうまいとソーキそばを平らげた後は、腹ごなしがてら集落散策をしました。目指したのは今帰仁村の湧川集落。
湧川集落を目指したのは相当マニアックな歴史探訪が目当てだったので、詳細はまた別の機会に書こうと思います。
チラッと写真だけ。
だけど本当にいい天気で心地よくて、歴史探訪とか全然抜きにしても、歩いているだけで楽しい時間でした。
琉球の塩作り発祥という湧川の塩田見つからず
集落散策の次に目指したのは、湧川地区とヤガンヌ島の間にあったという塩田跡でした。
その場所は昭和の時代まで塩作りが盛んだったそうで、琉球での塩作り発祥の地だという伝承もあるらしいんです。
地図で指すとこの辺の海岸沿い。
塩田の跡が今でも残っていると聞いたので見に行きたかったんですけど、どうやったらここにたどり着けるのか結局わかりませんでした。
なんとなく近くの浜辺には出られたのですが、うーん。向こうの石垣は何か関係があるのかなぁ。くらいで何も発見できず。
海、綺麗だからいっか~。としばらくシャバシャバ水を触って撤収。
車で行くのはおすすめしない「塩屋の御嶽」?
塩作りの話の流れで、琉球に塩作りを伝えた人物が祀られているという「塩屋の御嶽(スヤーヌウタキ)」を目指しました。
私が持っている資料を見る限りでは、この祠の場所がそうだと思ったのですが…、
Googleマップには運天龍宮だと登録されていて、実際のところはどうなんでしょうね。
この場所は道が狭いし車を停められる場所もなかったので、あまりおすすめできません。じゃあ書かなければいいのにー。
絶景スポット「古宇利大橋」へは人が少ない時間に
そろそろ時間も気になりだしたので、歴史散策はおしまいにしてサクサクドライブしようぜ。ということで海沿いの道をサラッと流すことにしました。
「ワルミ大橋」を渡って、屋我地島に入ったら、やっぱり見に行きたくなりますね。大人気の絶景スポット、「古宇利大橋」へ。
一応橋を渡って、古宇利島側からの景色も見てみたんですが、逆光で海が白っぽかったので戻ってきました。
南側の展望パーキングからパシャリ。
だけどねぇ。この日は土曜日でしかも14時ごろということもあって、駐車場はレンタカーが押し合いへし合いしてました。なんというか、その、ありとあらゆる常識がせめぎ合っていて、ちょっとしんどかったかなぁ。
超有名な観光地へ行くときは、平日とか朝とか、人が少なそうな時間に計画して行った方が良さそうですね。とかいう私もレンタカーの観光客なんですけどね。
昔は港だった?屋我地島のクンナトゥウタキへ寄り道
そろそろ帰り道を目指さないとね。とかいいながら、たまたま近くを通った「クンナトゥウタキ(小湊御嶽)」に立ち寄りました。クンナトゥウタキは、屋我地島の済井出(すむいで)地区にある御嶽です。
ガンガン車が通りすぎる道端に、小さな森と鳥居がありました。
この御嶽は行けてよかったなと思います。
写真ではわかりにくいんですけど、御嶽の中は木々に覆われていて別世界みたいに暗いんです。
この御嶽を見て思い出したのが、その昔、南城市にある斎場御嶽は、昼でも星が降ると言われたほど木々が生い茂って真っ暗な場所だったという話。スケールは違うけど、こんな雰囲気だったのかなぁ。と思いました。
クンナトゥウタキの詳しいことは調べきれていないんですが、名前から推測すると、この辺が港だったんでしょうね。出た!港ネタ。昔港だった場所みたいな話は大好きです。
クンナトゥウタキは地図で見るとここ。
今では畑の真ん中って感じです。どんな歴史を持っているのかまた追々調べてみたいです。
そしてこの後は少しだけ周辺をウロウロしてドライブ終了。
一日中いい天気で気持ちよかったです。ずーっと車を走らせるのも楽しいけど、たまに車から降りて散歩する時間があると、充実感が増しますね。
それからこの日気づいたのは、天気がいい日の沖縄は、どこを見ても何を見ても美しいということでした。
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