那覇で1泊したときに偶然見つけた「海鮮居酒屋 久茂地」。
割烹を思わせるうまい料理と、旅行客の私たちにも居心地のいい、ナイスな居酒屋でした。
飛び込んで大正解-しっぽりした雰囲気
海鮮居酒屋 久茂地は、ゆいレール県庁前駅から北東へ、徒歩5分のところにあります。
私たちは何のリサーチもなしに、店構えと表に出ていたお品書きだけを見て飛び込みました。

期待が膨らむたたずまい
お店に入ると地元のお客さんで半分ぐらい席が埋まっていました。
なんだか大正解の予感。
店内は、内地なら渋い演歌が聞こえてきそうな、肴は炙った烏賊でよさそうな、しっぽりした雰囲気。
座席はカウンター席、テーブル席と、店の奥には座敷があるようです。
人生初のマース煮がこの店でよかった
突き出しは、魚のうちなー天ぷらをだしに浸した揚げ出し風の小鉢。
それを一口食べた時に、あれ?と思いました。だしの風味が関西の割烹っぽい。にごりのないかつおの香りと、それを邪魔しない程度の醤油加減。
全国各地にだしの個性があって、それぞれ甲乙つかないものですが、沖縄で関西風のだしの香りを味わうとは思いもせずまさかな驚き。うまい。
オリオンビールで乾杯したら、さっそく刺身盛り合わせをいただきます。

刺身盛り合わせ
刺身は全て沖縄産のマグロ、セーイカ、ミーバイ。私たちが旅行客とわかってチョイスしてくれたのでしょうか。新鮮で甘いお刺身はしあわせ。
何かお腹にたまるものをと注文したヒラヤーチ。沖縄風のチヂミみたいな粉モノですが、油は控えめでビールが進みます。小皿にウスターソースを添えて出してくれました。
そしてこのお店の一番の思い出が、魚のマース煮。

マース煮
このマース煮も、やっぱろだしがうまい。
白身魚の香りを消さない控えめなかつおだしに、白身魚のうまみをひき立てる塩加減。それから、身がほろりとほどける絶妙な炊き具合。少し散らした柚皮がちょうどいいアクセントで上品です。添えられた島豆腐で舌をリセットしながらいつまでも食べられる。
うまいうまいと大騒ぎしながらいただきました。魚は確か…なんとかマチ。忘れましたが沖縄近海魚だそうです。
前々から一度食べてみたいと思っていたマース煮。人生初のマース煮がこのお店でよかった。
自分たちの時間を楽しめる居酒屋
さて、どこの街でも感じることなのですが、一見でも入りやすくて居心地のいい居酒屋には共通点がある気がします。
それは常連さん同士がちょうどいい距離感を保っていること。
他のお客さんに対して常連さんたちが一切かまわない。顔なじみにはちょっと会釈する程度で、皆がその店の大将を通して楽しんでいるお店は、のれんをくぐった瞬間に、その先に過ごす時間と料理への期待が膨らみます。
逆に言えば、のれんをくぐった瞬間に、店内の常連さんが一斉にこちらを注目するお店に入ってしまったときは、あー失敗したと思います。
そういった常連さんの質は、その店の大将や女将さんの人柄と手腕を反映するものだと思います。
常連さんも一見さんも、それぞれが自分たちの時間を楽しめる居酒屋は、地元の人たちから長く愛される居心地のいい居酒屋なんじゃないかと思うのです。
そういう居心地の良さが、海鮮居酒屋 久茂地にはあったような気がします。
コメント