冊封儀式の歴史を知ったら首里城祭は想像以上に粋なイベントだった

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10月末から11月にかけて首里城では首里城祭というイベントが開催されます。
首里城祭では数日間にわたって琉球王国時代に行われていた儀式が再現されます。

その中の冊封儀式を、私たちは2015年に見に行きました。
この冊封儀式、首里城観光ついでに眺めているだけでも圧巻ですが、琉球の歴史を事前に予習しておくと、見え方も面白さも全然違ってきます。そしてよくよく知ってみると、単なるイベントの演目というだけでなく、首里城祭の冊封儀式は想像以上に粋な儀式でした。

琉球で初めて冊封儀式が行われるまでの歴史の流れ

そもそも冊封儀式とは何なのかについて、私なりに理解している琉球の歴史を書いてみます。まずは、冊封儀式が行われるようになった歴史の流れから説明してみます。

首里城祭の冊封儀式
首里城祭の冊封儀式

皇帝からの手紙

事の始まりは今から640年ほど前、琉球が王国として統一されるよりも前の時代までさかのぼります。その頃はまだ、琉球全体が一つの国としてまとまっていなくて、琉球各地で按司(あじ)と呼ばれる権力者が小国家を築いていた時代です。

その時代は歴史本ではグスク時代と呼ばれているんだけど、琉球各地で按司たちの勢力争いが絶えなかった時期でもあるので、琉球戦国時代と表現する人もいます。

そんな群雄割拠のさなかの1372年、浦添辺り(沖縄の中部地域)を治めていた察度(さっと)という按司のところに、中国明王朝の皇帝から手紙が届きます。

その手紙の内容は、
「私はこのたび大国を築いて皇帝となった。周辺諸国にそれを伝えたところ、私に仕えるものとして私のところに貢物を持ってあいさつにきた。あなたの国は遠いので知らせが届いていないのか、まだあいさつに来ていない。だから特別にこの手紙を届けることにした。早く私のところへ貢物を持ってあいさつに来なさい。」
大まかに意訳するとこんな感じ。

その手紙を受け取った察度はすぐさま貢物を持たせた使者・泰期(たいき)を明に送ります。それによって察度が治める琉球の中部地域(中山)は冊封体制に加わりました。

これをきっかけに察度は明王朝から中山王・察度(ちゅうざんおう・さっと)と呼ばれるようになります。

冊封体制に加わるメリット

冊封体制に加わるということは、明皇帝を君主と認めて仕えますと意思表示したことになります。でもその代わり中山王・察度は明王朝と公式に交易ができる立場になったわけです。

つまり、皇帝に貢物を贈った見返りに、膨大な利益を生む褒美の品々を琉球に持って帰ることができるようになりました。さらに品物だけではなく、明王朝の使者が世界中で見聞きしてきた最新の技術や文明も琉球に入ってくるようになります。

そのおかげで、察度が治める中山は栄えに栄えて、琉球内の権力者たちが次々と味方になっていったわけです。

その後、琉球南部を治める按司も明王朝の冊封体制に加わり、続いて琉球北部を治める按司も加わります。それによって琉球には中山・南山・北山という3つの国が成り立ちました。ちなみにその時代は三山時代と呼ばれています。

この時代、琉球以外の国では
「なんで外国の王に従わなあかんねん!」
ということで反発して、冊封体制に加わらなかった国もあるそうです。

でも、察度にとって冊封体制に加わるということは、ただの
「儲かるやん!」
っていう話だったんじゃないかって書いている歴史本もあります。

実際、琉球は冊封体制に加わってはいましたが、明(清)からの内政干渉はなかったそうです。

冊封儀式って何?

ところで、明王朝と公式に交易ができるのは、中山では中山王・察度の指示によって派遣された人達です。なので察度が亡くなって、察度の息子が即位する場合、
「前王の意思を受け継ぎましたので、これからは察度の息子である私の指示によって貢物を贈ります。」
と皇帝に報告して、改めて皇帝から新たに王として任命を受けないといけなかったわけです。

その時に行われたのが冊封儀式。平たく言うと王の任命式のことなんですね~。

琉球で初めて冊封儀式がおこなわれたのは、1404年。察度の息子・武寧(ぶねい)が即位した時だといわれています。それ以降、琉球が統一されて琉球王国になり、1866年に琉球王国最後の王・尚泰(しょうたい)が冊封を受けるまでの462年間、新しく王が即位するたびに冊封儀式が行われてきたわけです。

以上!諸説あり!
ひぃ~。本読んで知ったことを記事に書くのって難しいね~(;´∀`)

ちなみに2015の首里城祭では、明の次の王朝、清王朝のころで、琉球王国では尚温王が即位するときの儀式が再現されていました。毎年そうなのかな?

首里城祭の冊封儀式は想像以上に粋だった

毎年10月末ごろに開催する首里城祭の冊封儀式には、国王役が出演しています。

その国王役は王妃役と一緒に毎年8月ごろに一般公募されます。
国王と王妃に選ばれると、その後1年間首里城公園で開催されるいろんなイベントに出演します。

そのたくさんあるイベントの中でも、首里城祭とその一環で催される冊封儀式はその年に選ばれた国王の初仕事なんです。だから、イベントとして儀式を再現してるだけでなくて、その年の国王に選ばれた人の本当の意味で任命式になってる。
クソッ!首里城。粋なことするよな~

首里城祭『冊封儀式』-国王の所作は格別
国王の所作は格別

それから、儀式中の国王の所作。これはたくさんの出演者の中でも別格です。(王妃もきっとそうだろうと思う。)一般公募とはいえ、決まってからの短い期間に先生が付いてしっかり指導を受けたんだろうなぁ。と素人目にも判ります。

そうやって、力を入れるポイントがいちいち粋なのが首里城祭の見どころでもあり、もっと言うと私が沖縄に惚れる理由でもあるんです( *´艸`)

2017年の首里城祭開催日は

今年、2017年の首里城祭は11月3日(金・祝)から開催されます。 
2日目の4日午前11時40分に冊封使行列が始まって、そのままの流れで12時10分に冊封儀式が始まります。

首里城祭『冊封儀式』-冊封使行列
冊封使行列からスタート

2015年も、けっこうたくさんの人が見に来ていたので、間近で儀式を見たい人は早めに行った方がいいと思います。

ついでに、首里城では朝の8時25分から御開門式(うけーじょー)という儀式が首里城祭とは関係なく毎日行われているので、それも併せて見に行くとおもしろいと思いますよ。

参照:首里城公園公式サイト

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