奥武島の旧正月

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2018年2月16日は旧暦のお正月でした。南城市に滞在していた私たちは、奥武島へ旧正月の様子を見に行きました。

2月だし暖かい日だったしで、お正月の実感は全くなかったのですが、奥武島は島全体がお正月ムード。大漁旗を眺めたり島の旧正月行事を見学したりして、関西育ちの自分にとっては新しい発見が多い一日でした。

(2018年2月の沖縄滞在ダイジェスト&体験記事一覧はこちら→2018年2月沖縄長期滞在15日間ダイジェスト&2月の沖縄レポ

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奥武島の漁港には旧正月の大漁旗

沖縄の旧正月に沖縄滞在できたら絶対に見たいと思っていたのが、海人の町(漁師町)の漁港に揚がる大漁旗でした。

海人にとって重要な潮の満ち引きは、月の満ち欠けと関係があるそうです。だから海人の町には月の満ち欠けを基準にした旧暦の習慣が色濃く残っているそうです。残るというより、今も旧暦のリズムで生活しているんだと思います。

海人の島だという奥武島の漁港に向かうと、揚がっていましたよ~。色とりどりの大漁旗。

奥武島漁港、旧正月の大漁旗(2018年2月)

奥武島漁港、旧正月の大漁旗

今の今まで私にとってお正月は新暦しかありませんでした。だから2月中旬の、しかも気温が高いこの日をお正月だとはまったく思えず…。だけどこの島の人たちは、今、お正月を感じているんだろうなぁと思いながら大漁旗を見ていました。

大漁旗は大晦日の夕方から三が日まで揚がっていましたよ。

奥武島「観音堂」には初詣の人が次々と

奥武島の人たちがお正月を感じているんだろうなと思ったのは、大漁旗だけでなく島全体がお正月ムードだったからでもあります。

島内放送ではかぎやで風節など琉球音楽がずっと流れていて、島の中心にある「観音堂」には入れ代わり立ち代わり参拝者が訪れていました。

おそらく沖縄の言葉でハチウガミー(初拝み)、初詣だと思います。

旧正月の「奥武島観音堂」(2018年2月)

次々と参拝者が訪れていた「奥武島観音堂」

奥武島のウブガーで旧正月の行事があるらしい

奥武島を散策中、午前11時からウブガーという場所でカーミジナディという行事が行われると、島内放送で知りました。

ウブガーとは、昔赤ちゃんが生まれると産湯を汲んでいた井戸(産井戸=ウブガー)のことで、神聖な水が汲める井戸といった感じでしょうか。沖縄のほとんどの集落にある大事な昔の水源です。

奥武島のウブガー(旧大晦日撮影)

奥武島のウブガー(旧大晦日撮影)

普段は気づかずに通りすぎてしまいそうなこの場所も、11時ごろになると地区内の各代表者たちが次々と集まってきました。

奥武島の旧正月(ウブガー前で旧正月行事)

ウブガーの前にはテントが設営されていた

そしてしばらくすると、ウブガーの前では神人(カミンチュ)たちの祈りが始まりました。カーミジナディという行事が始まったんだと思います。

カーミジナディとは新しく生まれ変わる行事?

カーミジナディの意味を少し調べてみました。

言葉の意味としては、「カー=井戸」、「ミジ=」、「ナディ=撫で」だと思います。

沖縄には琉球王国時代から「お水撫で」という行事があるらしく、新年一番に汲み上げた水を額に撫でることで命が新しくなる(新しく生まれ変わる?)というような行事だそうです。

私はそれを知らずにこの行事を見たので、奥武島のカーミジナディで水を額に撫でているところを見逃してしまったようです。悔しい…。

そして神人が祈りを終えるとシャクトイ(酌取り)が始まりました。

区長さんが神人をはじめ、行事に参加している人たちへお酌をしつつされつつしながら一人一人のところ回っていました。たぶん、若水で清められたお酒がお酌されるんだと思います。

奥武島の旧正月に見たシャクトイ(酌取り)

祈りの後に始まったシャクトイ(酌取り)

その後三線演奏の奉納や関係者の方の挨拶があり、新年会へ続くようでした。

私たちはここで撤退。

奥武島の旧正月行事を見て感じたこと

午前11時から始まった行事を小一時間見ていましたが、見物している観光客は私たち夫婦ぐらいで、他は地区の人たちと市役所の人たちだけだったと思います。

沖縄で見る伝統行事は、おそらくものすごーく昔から受け継がれてきた行事なんだと思います。だけど、決して仰々しいわけではなく、ガチガチにマニュアル化されているわけでもなく、ほんとに普段の生活で歯磨きをするみたいな感覚でナチュラルに、そして粛々と行われているように見えました。きっと面倒臭く思うときもあるでしょうけど、これをやらないとなんだか気持ちが悪いようなスッキリしないような、体に染みついた習慣なんだろうなと思いました。

私たちは興味があってそれを見に行くけど、地域の人たちにとっては見せるためのものではなくて、リアルに生活の一部なんだなと。そんな風にも感じました。

でも明らかにナイチャーの私たちがガン見しているのを追い返すこともなく、お茶やお菓子も分けていただいて、写真を撮っているのもスルーしてくれて、ありがとうございました。

後日、かわいいワンちゃんを連れた男性に、カーミジナディを見に来てた方ですね?と声をかけてもらったのですが、ワンちゃんに夢中になってしまって、ろくな返事もできませんでした。もっとお話しすればよかったなと今になって思います。

また遊びに行きますね。

(2018年2月の沖縄滞在ダイジェスト&体験記事一覧はこちら→2018年2月沖縄長期滞在15日間ダイジェスト&2月の沖縄レポ

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