2018年2月24日、名護市許田の集落を散策してきました。
許田といえば道の駅が有名ですが、道の駅から那覇方面に少し行くと、許田の集落があります。ちょうど高速道路の出口付近なので、那覇から高速に乗って許田で降りるルートだと通りすぎてしまう場所です。
今回許田を目指したのは、特別見たいものがあったわけではなく、地図帳を開いて目に留まった公民館を目指すという遊びがきっかけでした。沖縄本島で、まだ知らない行ったことのない場所に行きたかったんです。
何の予備知識もない集落散策でしたが、文化財や興味深い御嶽など思いがけない出会いがありました。
(2018年2月の沖縄滞在ダイジェスト&体験記事一覧はこちら→2018年2月沖縄長期滞在15日間ダイジェスト&2月の沖縄レポ)
許田の公民館から集落散策スタート
集落散策をするときはたいてい公民館に寄って、文化財や歴史のマップをもらえるか聞いてみるのですが、この日は土曜日で誰もいませんでした。
目指すものは何もないので、ひとまず公民館周辺をぶらり。
公民館から少し歩くと、神アサギがありました。
神アサギとは、地区の祭祀を行う神聖な場所だと私は理解しています。本島北部あたりには、ほぼ各地区に神アサギがあるはず。素人考えで、公民館と神アサギがある地区は古くからの歴史がある地区なんだと思っています。
許田集落の北に後の御嶽(クシヌウタキ)
神アサギから集落内を北に向かって行くと、後の御嶽(クシヌウタキ)が現れました。
立派な鳥居がありますが、鳥居が建てられたのはおそらく近年の出来事でしょう。鳥居があることで御嶽を守れた時代もあるんだと思います。
鳥居の向こうは急な階段。いつものごとく、ゼーハーいいながら上りましたよ。
階段を上ったところには香炉が置かれている拝所がありました。
この御嶽は許田集落発祥の地だと思います。
後の御嶽に関しては、もう少し書きたいことがあるんですけど、それはまた後日。
(後日に書きました→許田にある後の御嶽の謎)
名護市の文化財「許田の手水」(クシヌカー)
御嶽の階段を降りて少し歩いたところで、水が流れる音が聞こえました。見るとそこには祠と案内板。
案内板によると、祠の場所は「許田の手水」と呼ばれる泉だそうです。名護市の文化財なんですって。
許田の手水には、その昔、ここで出会った首里の役人と村の娘のエピソードが残っていて、後世その話が組踊『手水の縁』のモデルになったんだそうです。
組踊のことはまったく知らなくて、組踊と聞けばオキハムのCM「♪わんやオキハムのうみないどやゆる♪」のメロディーが頭の中で流れるレベル。
だけど、それぐらい古い歴史があるこの泉はまだ生きていて、次から次へと水がジャバジャバと流れていました。
今までも沖縄でいろんな泉を見てきたけど、こんなに生気のある泉は初めて見ました。いい場所だな〜と思いました。
それに、ここは文化財「許田の手水」として知られていますが、案内板には「クシヌカー」とも書かれていました。おそらく、後の御嶽(クシヌウタキ)とクシヌカーでひとつの聖域なんだと思います。
遠い昔に、祖先がこの地で生活しようと決めたのは、この泉があったからだと思うんです。豊富な湧き水にとても感謝して、ずっとこの場所を大切にしてきたんだろうなと、ダバダバ溢れる水を見ながら思いました。
許田集落の風景
許田の集落はとても静かなところで、歩いていて気持ちがよかったです。高速道路出口の真横にあるとは思えない、穏やかな空気が流れていました。
散策の途中、にゃんこにめっちゃ警戒されたり、
所々に小さな拝所があって、ここは何だろうとか検証してみたり、
水辺の風景に癒されたり、
本当は他の集落も2つ3つ行くつもりにしていたんですけど、ついつい長居してしまって、気づいたら夕方でした。
まったく下調べせずに行った許田の集落で、偶然、許田の手水(クシヌカー)に出会えたのはよかったです。あの見事な水量から感じる豊かさとかイキイキした感じとかって、あの場所に立ってみないとわからない感覚だなと思いました。
適当に地図帳を開いて公民館へGo!大成功♪
ただ、集落はひとさまのお家のお庭みたいなものなので、お邪魔しますの気持ちを忘れないように心がけたいですね。
(2018年2月の沖縄滞在ダイジェスト&体験記事一覧はこちら→2018年2月沖縄長期滞在15日間ダイジェスト&2月の沖縄レポ)
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