12月の沖縄滞在中、名護の宿泊先から市街地まで街歩きをした話の続きです。
当初の予定は、名護市屋部のホテルからスタートし、宇茂佐集落を経由してファーマーズマーケットやんばる市場へ寄り、その後宮里の暗渠沿いを歩いてオリオンハッピーパークを目指す。というもの。
最後はビール工場見学をして、出来たてのオリオンビールで乾杯。そこからバスに乗ってホテルに帰る計画でした。
お昼休憩と寄り道を含めて、2時間弱の街歩きになればいいなと思っていたのですが、実際は出発から2時間ほど経過した時点で、私たちはまだファーマーズマーケットやんばる市場にいました。
何がどうなってそうなったのかは、『その1・屋部、宇茂佐編』をご覧ください。
さて、とにかくお昼ごはんを無事に食べられたので、街歩き再開です。
宮里の暗渠を諦める
話の序盤から、ちょいちょい気になっていた方もいらっしゃると思います。宮里の暗渠(あんきょ)ってなんやねんと。
事のいきさつ
名護市宮里の暗渠を見に行きたいと思ったいきさつを、ザックリ説明しますね。
沖縄滞在前に、名護市街地の拝所や歴史を下調べしていたときのこと、名護市港という地区に、その昔、イリミャートゥ(西湊)と呼ばれていた河口を見つけたんです。その場所はこの辺り。
戦前、この河口は港で、国道58号線より海側は砂浜だったそうです。
いいねぇ。いいですねぇ。昔港だった話は私の大好物です。
ニヤニヤしながらGoogleマップでこの川をたどっていくと、途中で川が途切れていました。途切れた地点をストリートビューで見てみると、その先は、コンクリートの蓋で覆われた暗渠だということがわかったんです。
暗渠は名護の市街地を抜けて、宮里付近で終了していました。
おもしろーい。こんな街中から川が始まっているなんて。ひょっとして、那覇の久茂地川みたいに、これは川じゃなくて海峡だったりして。それとも田園地帯の水路だったとか?
よし。この暗渠を端から端まで歩いてみたら、何かわかるかもしれない。あわよくば、DEEokinawaさんに1記事投稿できるかも。
と思ったので、宮里の暗渠の端は、ぜひ見に行きたかったのです。
暗渠の端っこ
さて、何か新しい発見ができるかもしれないと、ワクワクしながらたどり着いた、暗渠の端っこの写真がこちらです。

暗渠の端っこ
まったく絵にならん!
もうちょっと、引いてみたらどうだろう。

コンクリートの蓋が並ぶ
あぁ。うん。コンクリートの蓋が並んでいるのが写った方がわかりやすいかな。
…。
…。
で?
期待した場所には、何の発見もありませんでした。
本当はもうちょっと周辺をウロウロと見て回りたかったのですが、ご近所のワンちゃんにイヤというほど吠えられたので、そそくさと撤退しました。番犬強い。
そこからとりあえず、イリミャートゥの方向へ歩いてみたのですが、歩くたびにコンクリートの蓋がボコボコ音をたてる以外は、普通の細い路地という感じで、別段おもしろそうな形跡もなく…。
一応、「建物のすき間を縫って、細い路地みたいになっているこの下には、川が流れています。」みたいな写真を撮ってみたり、

建物のすき間を縫って、細い路地みたいになっているこの下には、川が流れています。
川が外から見える場所から覗いて、あれ?川底から水が湧いてる?とか言いながら写真を撮ってみたり、

水が湧いてる?
暗渠の謎を解くカギを見つけようとがんばっていましたが、けっこう序盤の段階で、なんか、もうええかな。と思いました。
これはたぶん暗渠沿いを歩くよりも、名護市立図書館にでも行った方が情報量多いわ。と思ったんです。
ということで、暗渠歩きは序盤で中止。
オリオンビール工場見学の予約は必須
そうこうしているうちに時刻は14時過ぎ。そこでふと思い出しました。
オリオンビールの工場見学、予約してないけど大丈夫やろか。
オリオンハッピーパークのWebサイトには、予約なしでも空いていれば見学できるけど、できれば予約しておいてね。みたいなことが書かれています。
その時私たちは、ハッピーパークまで歩いて25分ほどの場所にいました。
もういい加減疲れてきたし、今から電話して30分後ぐらいに予約ができれば、このまま真っ直ぐハッピーパークに向かおう。
ということで、電話をしてみたところ、なんということでしょう。「今から受付できるのは16時スタートの回のみですね。」とのこと。
チーン。
工場見学と試飲を含めて所要時間は1時間。16時にスタートしたら、終わる頃には外は真っ暗です。工場見学は、敢え無く断念。
はい。ここで教訓。オリオンハッピーパークで工場見学をする時は、必ず予約を入れて、その時間に合わせて行動すること。
宮里の公民館周辺を散策
時間を急く必要がなくなったので、宮里の公民館周辺を散策。
シリ-宮里の旧家
私が持っている資料では「シリ」と説明されていた、おそらく屋敷跡です。宮里の旧家だそう。

「シリ」という屋敷跡?
「シリ」は漢字では志禮と書くのかしら…。屋号か門中名だと思うのですが、わかりません。
建物の中には「ノロ」、「根神」、「世主」の香炉と、火の神(ヒヌカン)があって、屋敷も敷地内もすっごく綺麗に手入れされていました。
宮里の神アサギ
公民館の向かいには遊具がある広場があって、神アサギがありました。

滑り台の向こうに神アサギ
って、何を撮ったのかわからない写真になってしまったのは、ここでも大きなワンちゃんにワッサワッサ吠えられたから。それはそれは立派なワンちゃんでした。ひぃ~。
メーウガミ(前の御嶽)
公民館から海へ向かって歩いて行くと、鳥居のある林が見えました。

木々に囲まれた鳥居
ひっそりと神聖な気配を漂わせているここは、宮里メーウガミ(前の御嶽)。沖縄には、集落の後ろと前に御嶽があるパターンをよく見かけます。中には後ろ、前、東、西と、集落を囲むように御嶽があるパターンもあります。
私の勝手な想像ですが、こうやって集落を御嶽で囲むことで、人間界と自然(野生)界を区切っていたのかな、なんて思います。あくまでも私の想像です。
メーウガミには縄が張り巡らされていたので、中には入らずに、縄の外からご挨拶をして写真を撮りました。

宮里メーウガミ(前の御嶽)
宮里メーウガミの周辺は、ハスノハギリという木が茂る林で、県の天然記念物だそうです。ハスノハギリというのが、本来は海岸に生える木で、昔はこの辺まで砂浜だったんですって。
メーウガミの場所
と、話が長くなったので、続きはまた後日。
ビール工場見学は中止になったし、この先、どうしましょうかねぇ…。
つづく→最終話
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