糸満のバス停『クール』バス停をわざわざ見に行った

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糸満市真栄里にある「クール」バス停を見に行きました。

クールバス停を知ったのは、琉球の歴史本に書かれていた昔の村を探していた時でした。変わった名前のバス停があるなと思ったら、どうやら「クール」というのが昔の地名っぽいのです。

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「クール」バス停は昔「小大渡」村だった?

琉球の歴史を勉強しようと歴史本を読んでいると、気になる一文がありました。

先中城は糸満字真栄里の「糸満市中央図書館」がある丘の上にあるが、当時は城のすぐ西側まで兼久(カニク・海岸)が迫っていて、小大渡(クーウドゥ)村に港があった。
【『琉球王国の真実 琉球三山戦国時代の謎を解く』(伊敷賢)より引用しました。】

これは1440年~1450年頃の琉球の話で、歴史的に有名な護佐丸(ごさまる)という武将が、(現、読谷村の)座喜味グスクから(現、中城村の)中城グスクへ移動を命じられたときの時代背景を説明した文章です。

私はこれを読んだとき、今は陸地だけど昔は海岸で港がある場所だなんて、なんだかブラタモリ的だなと思いました。

なので、小大渡(クーウドゥ)村がどこにあったのか知りたくて、「沖縄県道路地図」を開いて糸満市真栄里の図書館付近を眺めていると、すると目に飛び込んできたのが、「クール」という名前のバス停

地図帳に「クール」という名前のバス停が

地図帳に「クール」という名前のバス停が

クール?クール…、クードゥ…、クーウドゥ。…小大渡!

この変わったバス停の名前…。もしかしてこの場所は昔、小大渡村だったんじゃないかしら。とは思ったものの確証はなく、とりあえず本を読み進めると、

…建築資材は真栄里クールー村から陸揚げされたという。クールーの村名は「小大度(クーウドゥ)」が変化した発音であると考えられる。
【『琉球王国の真実 琉球三山戦国時代の謎を解く』(著者:伊敷賢)より引用しました。】

やっぱり。クール(クールー)= 小大度だ。

実際にクールバス停を見に行った

謎が一つ解けると嬉しくなって、沖縄滞在中にクールバス停を見に行きました。

糸満市真栄里のクールバス停(2016年12月撮影)

糸満市真栄里のクールバス停(2016年12月撮影)

バス停は昔ながらの静かな住宅街にありました。バス停から西海岸の方を見てみましたが、現在では港の気配もありません。

クールバス停から海の方(西方向)の景色

クールバス停から海の方(西方向)の景色

バス停の場所がピンポイントで港というわけではないと思いますが、この辺に大きな資材を陸揚げできるような港があって、大型船も乗り込んでいたんだと思うと不思議な感じがします。

この時は時間がなくてバス停の写真だけ撮って帰りましたが、今度は集落をゆっくり散策してみたいなぁ。

糸満市の歴史と民俗を歩く「屋号地図」【糸満市公式サイト】

ただ、クールバス停の名前の由来は他にもあるそうで、DEEokinawaさんの記事には“ハブにかまれた人がいたから”というような由来が書いてありました。きっと所説あるんでしょうね。

気になるバスの停留所 vol.1【DEEokinawa】

沖縄の地名はおもしろいよ

沖縄の歴史本を読みながら地図で地名を探していると、沖縄のバス停の名前は昔の集落名前が由来かも。と想像して楽しくなります。(全てではないですが)

それに沖縄の地名で、“兼久”という地区は昔海岸だったとか、“泊”は昔港だったんじゃないかしらと勝手に解釈しているんですけど、どうでしょう。あと、竜宮神を祀ってある場所には港があったのかもしれないとか。

そういう目線で沖縄の地名をみると、沖縄旅行中に通りがかった“泊”地区の位置が気になったり、町並みをじっくり観察してみたり、いろんな想像が広がって歴史ロマンを感じるわけです。

なんというか、学生時代に地理のテストで赤点とってた自分が、まさか地名に興味を持つなんて。沖縄を好きになったお陰です。

この旅行のダイジェスト&体験記事一覧→年末の沖縄は魅力的♪年末の10日間を沖縄ですごしました

コメント

  1. はじめまして。DEEokinawa編集部、やんばるたろうと申します。クールの由来…!「沖縄のバス停の名前は、昔の集落の名前を使っている場所が多いんじゃないかと思います」と書かれている通り、恐らく言及されている通り小大度(クーウドゥ)が正解なのではないかと思われます。
    ハブに噛まれる(クーされる)という由来名ですが、2003年12月のオリオンビールのびあぶれいくにはクールの由来についてそのように説明がなされており、そのあたりから広まったものと推測されます。ひとつ勉強になりました。ありがとうございます!

    • クイナがこけた より:

      やんばるたろうさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      こちらこそ、噛まれる=クーされるっていう方言などなど勉強になっています。
      びあぶれいくにそういう由来が書かれていたんですね。もしかしたらクーされるという説も、地元で伝わってる一説なのかもしれませんね。

  2. 小渡錫幸 より:

    私の名前は、小渡です。名前の由来は、祖先が糸満市字大度の地頭だったことに由来していると思います。クールーは、私の出身の旧高嶺村の字です。クールーの人は、運動会になると、「真栄里、クールーハッキリワー、運動会ねー、キリキリメーぐゎー、かますんどー」意味は、真栄里。クールーの子供達、運動会には、走りなさい、キリキリメーの意味がはっきりしない、かますんどー、は、食べさせるよ、です。

    • クイナがこけた より:

      こんにちは。
      貴重なお話をありがとうございます。
      大度(小渡)といえばジョン万次郎が漂着したところですよね。そこからクールーは離れているのに小大度。「大度」の由来が気になります。
      それにしても運動会はすごく盛り上がったんだろうなと感じました。張り切って応援されたんでしょうね^^

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